内分泌代謝内科 | 診療科・部門紹介

内分泌代謝内科の特徴

診療風景

視床下部、下垂体の脳腫瘍や腫瘍以外の病気によるホルモン異常、すなわち内分泌疾患と、それに由来、関連するあらゆる臓器の合併症を診療します。視床下部-下垂体はホルモンの司令塔であり、視床下部からは下垂体のホルモンを合成、分泌する向下垂体ホルモンが、そして下垂体からは全身の主要臓器(副腎、甲状腺、性腺、乳腺、骨など)に向けて7種類の下垂体ホルモンが分泌され、これが伝令となって全身臓器の恒常性を維持し、非常時には適切に変化・適応させています。このホルモンが過剰、または欠乏した時に引き起こされる機能異常が下垂体機能亢進症、下垂体機能低下症です。この疾患を包括的に扱える経験豊かな内分泌専門医が少ないこともあり、適切に治療されている患者さんは全体の30-40%に達しないとされています。

診療は、東京女子医大病院第2内科准教授、講師を経た熟練医師2名が担当します。両医師は30年以上にわたる豊富な実臨床と臨床研究の経験を有する強力ペアであり、世界最高峰のアメリカ内分泌学会から3度も顕彰されています(2008年度最優秀臨床研究論文賞、2011年度下垂体部門最優秀臨床論文Paper of the Year賞、2,016年度最新最高抄録late-breaking abstract賞)。日本人医師としては初めての偉業です。

お忙しい皆様のため、必要かつ最小限の検査で、迅速かつ適確な診療を行います。診断のための検査(負荷試験など)が必要な場合は、外来で安全に行い入院費用と時間をカットします。CTやMRIも撮像当日の外来で結果を説明します。治療は個々の患者様にあう最善の治療法、治療薬を提示し、納得いただくよう懇切に説明します。手術が必要な場合は、まず手術が第一選択の治療である理由を説明します。手術に替わる、あるいは手術後に行う内科的治療、放射線治療や、手術後の合併症、特にホルモン補充が終生必要となる機能低下症についても詳細に情報提供します。

私どもの診療姿勢は、文藝春秋SPECIAL 2011年秋号の名医特集で紹介されたように「すべては患者さんのために」を座右の銘とし、皆様が心から得心、安心される診療が目標です。

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内分泌疾患の症状及び所見

間脳下垂体の病気

症状および所見 疑われる内分泌疾患
頭痛、視力低下、視野障害、下垂体機能低下 下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫、髄膜腫など
倦怠感、活力低下、冷え症、無月経、体毛減少 下垂体機能低下症
月経不順、無月経、乳汁分泌、男性機能低下、男子不妊 プロラクチン産生腫瘍、高プロラクチン血症
顔貌の変化、手足の肥大、発汗、高血圧、糖尿病 先端巨大症
丸顔、赤ら顔、肥満、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症 クッシング病
成長障害(小児)、活力低下、内臓肥満、メタボリックシンドローム(成人) 成長ホルモン分泌不全症
口渇、多飲、多尿 尿崩症
低ナトリウム(Na)血症 SIADH(ADH不適合分泌)

甲状腺の病気

症状および所見 疑われる内分泌疾患
甲状腺腫、体重減少、動悸、振戦、眼球突出 バセドウ病
耐寒性の低下、皮膚乾燥、便秘、高脂血漿 橋本病、甲状腺機能低下症
甲状腺の腫瘤(しこり) 甲状腺腫瘍、癌

副甲状腺の病気

症状および所見 疑われる内分泌疾患
高カルシウム(Ca)血症、尿路結石、骨粗鬆症 副甲状腺機能亢進症
低カルシウム(Ca)血症、テタニー、高リン(P)血症 副甲状腺機能低下症

副腎の病気

症状および所見 疑われる内分泌疾患
満月様顔貌、肥満、糖尿病、高血圧 クッシング症候群
高血圧、低カリウム(K血)症、糖尿病、脱力感 原発性アルドステロン症
高血圧(時に発作性)、糖尿病、動悸、発汗 褐色細胞腫
偶然に発見された副腎の腫瘍(副腎偶発腫) 副腎腺腫、癌

性腺(卵巣、精巣)の病気

症状および所見 疑われる内分泌疾患
先天性性腺機能不全、不妊症(男子、女子) 原発性性腺機能低下症
後天性腺腫機能不全、不妊症(男子、女子) 続発性性腺機能低下症
思春期早発症、思春期遅発症 脳腫瘍、性腺副腎腫瘍
月経異常、肥満、多毛 多嚢胞卵巣症候群

膵臓の病気

症状および所見 疑われる内分泌疾患
尿糖陽性、高血糖 二型(成人発症型)糖尿病
低血糖 インスリン産生腫瘍
膵腫瘍、ホルモン非生産性腫瘍 膵神経内分泌腫瘍

高血圧の病気

症状および所見 疑われる内分泌疾患
通常の高血圧 本態製(一次性)高血圧
治療抵抗性高血圧、合併症併発型高血圧 治療不応性高血圧
二次性高血圧(若年発症、高レニン性、難治性高血圧) 副腎性高血圧

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診療中の主な間脳下垂体疾患とその内容

プロラクチノーマ(プロラクチンPRL産生下垂体腫瘍)

診療実績は、患者数、PRL正常化率、性腺機能低下回復率、妊娠症例数、すべて世界最高です。カベルゴリン(商品名カバサール)という薬を用いる内科的治療が第1選択です。カベルゴリン治療は、PRLの正常化のみならず腫瘍の消失が高率に期待できます。私どもの治療方針が最新の国際ガイドラインに取り入れられています。手術は第2選択です。現治療で規則的な月経が回復しない、あるいは妊娠できない患者さんは一度相談にきて下さい。40歳未満でカベルゴリン治療を開始すれば全員が妊娠できています。

先端巨大症

外科手術が第1選択です。手術が不可能な場合、または手術で腫瘍が残存した場合に内科的薬物治療が行われます。薬物はソマトスタチン誘導体が第1選択ですが、有効率は50%未満で完治は期待できません。我々のカバサール治療は2年で有効率84%、5人に1人以上は完治します(学会報告済み)。カバサールの副作用として以前疑われた心弁膜症は自験800人以上の投薬患者さんで皆無です。放射線治療が適応となる患者さんは関連施設でのサイバーナイフやγナイフを勧めています。地方で手術を希望される場合は、手術成績に優れた各地域のエキスパート外科医を紹介します。

下垂体機能低下症

多くの原因疾患は下垂体腫瘍と視床下部腫瘍(頭蓋咽頭腫、胚細胞腫)です。最近では下垂体のラトケ嚢胞や下垂体炎が原因疾患として増加してきました。本症で手術した患者さん、あるいは治療中の患者さんで体調が思わしくない方は是非相談に来てください。

尿崩症

2013年の6月から本邦でも尿崩症の経口治療薬ミニリンメルト使用が認可されました。当クリニックでは日本で最多の200人近い患者さんにミニリンメルトを使用しています。その使用経験から、新規に確認された事実がいくつかあります。すなわち、点鼻薬デスモプレシンからの切り替えは外来で安全に実施可能です(入院不要です)。ミニリン舌下は必ずしも1日3回する必要はなく1日2回でも十分である(97%の患者)。ミニリンを舌下するタイミングは必ずしも朝食前、就寝前でなくても問題ありません。ミニリンメルト舌下錠の服薬量は体重に影響され体重過多の人は多めが必要です。

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自己チェックリスト

副腎皮質ホルモンの種類、量、作用時間、そして服薬のタイミングを理解していますか。
下垂体、視床下部が原因の中枢性甲状腺機能低下症の治療は通常の機能低下と異なります。
性ホルモンは健康を維持し、筋力や骨強度の低下、寝たきり防止のため男女とも必須です。
性ホルモン治療は年齢や挙児(子供)希望の有無で種類、治療量、治療期間が異なります。
すなわち、適切に性ホルモンが補充されていないと体調は万全になり難いことが多いのです。
私どもの治療により子宝に恵まれた適齢期の患者さんが多数いらっしゃいます。
上記ホルモン補充を完全に行っているが体調が不良な場合の原因になりえます。
疑わしい時は、簡単で短時間の外来検査で診断できます。
成長ホルモン治療は心血管疾患、糖尿病、発癌の可能性も考慮して行う必要があります。

気になる項目がある場合には受診ください。

医師紹介

  • 三木 伸泰
    三木 伸泰
    役職 内分泌代謝内科 部長
    学歴 三重県立大学(現、三重大学)医学部卒業
    経歴 東京女子医大病院第2内科准教授を経て現職
    資格 医学博士号
    日本内科学会認定内科医
    日本内分泌学会内分泌代謝(内科)専門医
    日本内分泌学会内分泌代謝(内科)指導医
    難病医療費助成指定医
    小児慢性特定疾患指定医
  • 小野 昌美
    小野 昌美
    役職 内分泌代謝内科 副部長
    学歴 東京女子医科大学大学院卒業
    経歴 東京女子医大病院第2内科准教授、講師を経て現職
    資格 医学博士号
    日本内科学会認定内科医
    日本内分泌学会内分泌代謝(内科)専門医
    日本内分泌学会内分泌代謝(内科)指導医
    難病医療費助成指定医
    小児慢性特定疾患指定医