認知症レカネマブ外来 | 診療科・部門紹介
ごあいさつ
新しい作用機序を持つアルツハイマー病による軽度認知障害または認知症の治療薬であるレカネマブ(販売名:レケンビ®)が、2023年12月20日に発売となりました。当薬剤は厚生労働省が定めた最適使用推進ガイドライン(外部リンク)を守って使用することとなっており、この薬を安全・適正に使用できるよう、体制を整え、2024年7月より、認知症レカネマブ外来を開設しました。
レカネマブ(レケンビ®)とは
・アルツハイマー病による軽度認知障害、または軽症の認知症に対する新しい治療薬で、進行を遅らせる効果のある国内で初めて承認された薬です
・2週間に1度、約1時間20分かけて、静脈から点滴で投与する薬です
・レケンビ特有の副作用の確認のため、MRI検査を決められた時期に行います。
・従来の治療薬よりも高額です。保険適用で、高額療養費制度も使えます。
・下記のグラフの通り、日常生活における機能の障害を測るCDR-SBという評価では、18か月間の投与で悪化を27%抑制しました、これを言い換えると、18カ月間の投与で5.3カ月進行を遅らせたことを意味します。(van Dyckら、N Engl J Med 2023; 388:9-21より引用・改編)
適応疾患について
レカネマブの使用には、専門的な知識を持つ医師による診断が必要です。
アルツハイマー病による軽度認知障害または軽度認知症が対象疾患となります。
具体的な投与の必須条件は、下記となります
レカネマブ(レケンビ®)投与の必須条件
○状態が軽度認知障害または軽度認知症
○MMSE22点以上
○アルツハイマー病以外の原因による認知機能低下ではない
○MRIで問題となる脳出血がない
○PETまたは髄液検査でアミロイド沈着が確認されている
厚生労働省レカネマブ最適使用推進ガイドラインより抜粋
受診からレカネマブ(レケンビ®)投与までの流れ
1予約をして、外来を受診
代表番号(03-3675-1211)にお電話いただき、「認知症レカネマブ外来を希望」とお伝えください。
認知症レカネマブ外来は水曜日、金曜日の午前中に診療を行っております。
受診の結果、投与対象外と判定される場合があります。投与対象の可能性があり、投与を希望される場合は、詳しい検査を行います。
2レカネマブ(レケンビ®)投与条件を満たすかの詳しい検査
レカネマブ(レケンビ®)の投与対象は臨床診断に加えて、様々な検査によって厳格に規定されています。特に重要なのが、脳へのアミロイドβの蓄積が認められることと、副作用リスクの高い特有の脳MRIの異常がないことです。アミロイドβの蓄積を証明する検査として、アミロイドPET検査と腰椎穿刺によるバイオマーカー検査があり、どちらか一方を受けていただきます。
また、過去にMRI検査を施行したことがあっても、改めて脳MRI検査を受けていただきます。専門医がこれらの検査を、それまでの検査結果等と合わせ、総合的に検討し、レカネマブ(レケンビ®)の投与の対象に該当するか否かを判断します。投与対象となった場合、外来で投与を開始します。
3レカネマブ(レケンビ®)の投与
2週間に一度来院していただき、静脈点滴で薬剤を投与します。点滴にかかる時間は約1時間20分です。初回投与時は、投与終了から1時間程度、観察のため待機していただきます。投与後に発熱や関節の痛みといったアレルギー反応が出る場合がありますので、解熱鎮痛剤を処方します。また、投与開始から半年程度は脳の腫れや脳の出血などの副反応を生じる可能性があるため、定期的な脳MRI検査が必要です。
医師紹介
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堀 智勝
役職 森山脳神経センター院長 学歴 昭和43年 東京大学医学部 卒 経歴 虎の門病院 脳神経外科
東京大学医学部附属病院 脳神経外科
東京警察病院 脳神経外科
昭和48年 東京大学医学部附属病院 助手
昭和52年 東京都立駒込病院外科 医長
昭和56年 鳥取大学医学部鳥取大学医学部付属脳幹性疾患研究施設脳神経外科部門 助教授、昭和59年 教授
昭和60年 鳥取大学医学部鳥取大学医学部付属脳幹性疾患研究施設 施設長、鳥取大学医学部鳥取大学医学部付属病院 材料部長・手術部長
平成10年 東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科学主任教授
平成20年 脳神経センター長
平成21年 森山記念病院 名誉院長、東京女子医科大学非常勤嘱託(外来診療)資格 日本脳神経外科学会専門医/日本てんかん学会専門医/日本頭痛学会専門医/日本脳卒中学会専門医/日本認知症学会専門医・指導医
/日本神経内視鏡学会専門医/日本リハビリテーション医学会認定臨床医/東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科学主任教授/その他多数